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デモ 026チェックポイント

デモを読み込んでいます
上の段はチェックポイントなし、下の段は操作パネルで決めた位置に旗(チェックポイント)を置いた面です。同じ規則で動くプレイヤーのモデル(易しい区間では 10%、右端の難しい区間では操作パネルの確率でやられ、乱数は両方の段で同じ)が遊んでいます。段の上の線は 1 回ずつの挑戦で、赤は越えた区間の通り直しです。地面の赤い矢印は難しい区間でやられたときに戻る位置、下のグラフは同じモデルで 300 回試したときのクリアまでの時間です。キャラクターは右へ走り続けるので、操作はジャンプだけです。下のボタンで自分でも遊べます。ステージをクリックすると、キーボード(スペースか ↑)でも操作できます。上の段を遊び終えると、下の段に移ります。

第四章 レベルデザインNo.026

チェックポイント

Checkpoint別名 中間地点、中間ポイント、リスポーン地点、復活地点

概要

やられたときに面の最初ではなく途中から再開させる地点。やられるたびに、戻った位置からすでに越えた所をもう一度通ることになる。置く場所と間隔で、この通り直しにかかる時間が決まる。少なすぎると通り直しが長くて面倒になり、多すぎるとやられても失うものがなく、緊張感がなくなる。

使われる場面

難しい所がある長い面
難しい所の手前に置き、そこでやられても手前の易しい道のりを通り直さずに挑み直せるようにする。
ボスとの戦い
ボスの部屋の前に置き、負けるたびに道中を通り直さずに済むようにする。戦いの前の会話や演出は 2 回目からは飛ばせるようにする。
やられながら覚える、短く難しい面
やられやすい所ごとに置き、やられたら、やられた所のすぐ手前から挑み直させる。通り直しがほとんどないので、やられる回数が多くても挑む回数を重ねられる。
自由に歩き回れる広い場所
決まった道のりがないので、区間の境目に置くことができない。触れると戻る位置になる物を、休む場所や危ない場所の入り口に置く。

判断基準

こういうときこうする
難しい所でやられるたびに、手前の易しい道のりを通り直している難しい所のすぐ手前にチェックポイントを置く。面の長さを等分した位置ではなく、やられやすい所を基準に置く。
通り直しが長くて、やめたくなる遊んだ人がやられた所と回数を調べ、やられる回数の多い所ほどその手前の近くにチェックポイントを置く。やられる所ごとに、1 回の通り直しの時間とやられる回数を掛けて通り直しの長さを見積もる。
やられても平気で、緊張感がないチェックポイントを減らし、難しい所の手前だけに残す。数を減らしたくなければ、残機を使い切ったら面の最初に戻すなどして、やられたときに失うものを別に作る。
チェックポイントから再開した直後に敵や罠に当たる敵の通り道や罠から離れた安全な所に置く。再開してから周りを見て動き出すまでの間を取る。
チェックポイントを通ったのか気づかない通ったときに旗の色や形を変え、短い音を鳴らす。通る前から、どこが戻る位置になるのかを見てわかるようにする。
戻ったら、拾った物がなくなっていたり開けた扉が閉まっていたりして戸惑うチェックポイントを通った時点の状態を覚えておき、持ち物、落ちている物、敵、仕掛けを同じ時点にそろえて戻す。
やられるたびに同じ物を拾い直して増やせてしまう持ち物だけを残して落ちている物を元に戻している。持ち物もチェックポイントを通った時点に戻す。
後戻りして手前のチェックポイントに触れたら、戻る位置まで手前に移った一本道の面ではチェックポイントに順番を持たせ、通った中でいちばん先のものに戻す。

遊んでこう感じたら

  • やられると、長い道のりをやり直すことになるテンポ
  • やり直しが面倒で、やめたくなるテンポ
  • やられても平気で、緊張感がないテンポ

指示の例

  • 難しいジャンプの所でやられるたびに、面の最初から易しい道を 30 秒くらい通り直すのが面倒。難しい所の手前にチェックポイントを置いて、やられたらそこから再開させて

  • ボスに負けるたびに長い道中と会話を通り直している。ボスの部屋の前にチェックポイントを置いて、会話は 2 回目から飛ばせるようにして

  • チェックポイントが多すぎて、やられても平気で緊張感がない。チェックポイントを今の半分くらいに減らして、難しい所の手前だけに残して

  • チェックポイントから再開した瞬間に目の前の敵に当たってやられる。チェックポイントを敵が来ない所まで 1 画面分くらい手前にずらして

  • チェックポイントを通ったのか気づかない。通ったら旗の色を変えて、短い音を鳴らして

詳細

やられるたびに最初から戻る面

面の途中でやられたときに面の最初からやり直させる作りでは、すでに越えた所をもう一度通ってからやられた所に挑み直すことになる。やられた所が面の終わりに近いほど、挑み直すまでの道のりは長い。難しい所ではやられる回数が多いので、同じ道のりを何度も通り直す。遊ぶ時間の多くがもう越えた所に使われる。

そこで、やられたときに戻る位置を面の途中に置く。この位置をチェックポイントと呼ぶ。チェックポイントを通った後にやられると、面の最初ではなくそのチェックポイントから再開する。以下では、やられた後にすでに越えた所をもう一度通ることを通り直しと呼ぶ。

デモの自動再生で遊んでいるもの

デモの面は 5 つの区間に分かれている。どの区間もやられずに走り抜けると 2 秒かかり、面の全体では 10 秒である。初めの 4 つは穴が 1 つだけの易しい区間で、右端の区間には広い穴が狭い足場を挟んで 2 つ続く。

同じ入力を 2 つの段に流しても差は見えない。一度やられると段ごとに戻る位置が違うので、同じ時刻に押したジャンプがそれぞれの段で違う所に当たるからである。差はプレイヤーがどこで何回やられるかから生まれる。そこで、デモの自動再生では同じ規則で動くプレイヤーのモデルに段ごとに遊ばせている。

  • やられる確率:区間を 1 回通るごとに、易しい区間では 10%、難しい区間では操作パネルで決めた確率(既定は 60%)でやられる。難しい区間でやられるときは、2 つの穴のどちらで落ちるかも乱数で決める。やられない回は穴の手前の決まった位置で跳ぶ。
  • 乱数:区間ごとに別のシード付きの乱数を使い、2 つの段で同じ列を使う。同じ区間に n 回目に挑んだときの結果は、どちらの段でも同じになる。
  • 上達:何度やられても、やられる確率は変わらない。

この規則では、難しい区間でやられる回数はチェックポイントの置き方によらず 2 つの段で同じになる。2 つの段の差はやられた後にどこから挑み直すかだけから生まれる。時間の差はこのモデルで比べた差であり、実際のプレイヤーの遊び方を測ったものではない。以下の数値は操作パネルが既定のとき(難しい区間でやられる確率が 60%、下の段は「難所の手前」)のものである。

自動再生で見せているのは下のグラフの 300 回のうちの 3 回で、グラフの ▼ がその回の時間である。1 回目はどちらの段も難しい区間で 1 回やられる。上の段は面の最初に戻って易しい 4 つの区間の 8 秒を通り直し、20.4 秒でクリアする。下の段は難しい区間の手前から挑み直し、12.4 秒でクリアする。

通り直しにかかる時間

上の段は難しい区間でやられるたびに面の最初に戻り、8 秒を通り直す。300 回試すと、クリアまでの時間は平均 31.0 秒で、そのうち 16.7 秒が通り直しである。やられずに通れば 10 秒の面なのに、クリアまでの時間の半分以上をもう越えた所の通り直しに使っている。

下の段の「難所の手前」は難しい区間の手前にチェックポイントを 1 つ置く。クリアまでの時間は平均 15.5 秒、通り直しは 1.7 秒に縮む。平均の差のほとんどは通り直しの差(16.7 秒と 1.7 秒)である。残りの 0.4 秒ほどは、上の段が通り直しの途中で易しい区間でもやられ、戻るのを待った時間である。通り直すたびに易しい区間でやられる機会も増えるので、チェックポイントがない面ではやられる回数そのものも増える。300 回の平均で、上の段は 2.83 回、下の段は 2.00 回やられている。自動再生の 2 回目では、上の段は通り直しの途中で易しい区間でも 2 回やられている。

差は平均よりも、長くかかった回に大きく表れる。上の段は 300 回のうち 38 回で 60 秒を超え、最も長い回は 133.8 秒かかった。下の段は最も長い回でも 39.6 秒である。難しい区間で続けてやられた回ほど、上の段では通り直しが積み重なるからである。

置く場所

チェックポイントはやられやすい所の手前に置く。デモの「中ほど」は 2 つの区間を越えた所(面の 4 割の位置)に置く。難しい区間でやられるたびにその手前の 2 つの区間の 4 秒を通り直すので、クリアまでの時間は平均 21.2 秒、そのうち通り直しは 7.2 秒になる。同じ 1 つのチェックポイントでも、難しい区間の手前に置く「難所の手前」より平均で 5.7 秒長くかかる。

チェックポイントは通った後でなければ効かない。自動再生の 3 回目では、どちらの段もチェックポイントに着く前の易しい区間でやられ、面の最初から通り直している。「難所の手前」の通り直しが 0 にならず、平均 1.7 秒残るのは、このような回があるからである。

やられやすい所のほかに、次の場所にも置く。

  • ボスの前:ボスに負けるたびに道中を通り直さずに済むよう、ボスの部屋の前に置く。戦いの前の会話や演出は 2 回目から飛ばせるようにする。
  • 長い区間の途中:やられる確率が低くても、戻る位置からやられた所までが長いと、1 回の通り直しが長くなる。やられずに進んでも長くかかる区間には途中にも置く。
  • 戻った直後に危険がない所:戻った瞬間に敵や罠に当たると、何もできないままやられ続ける。敵の通り道や罠から離して置く。

間隔の決め方

間隔は面の長さではなく、通り直しにかかる時間で決める。やられる所ごとに、1 回の通り直しの時間にそこでやられる回数を掛けると、その所が生む通り直しの長さを見積もれる。1 回挑むごとにやられる確率を p とすると、越えるまでにやられる回数の見込みは p / (1 - p) 回である。デモの難しい区間を 60% にすると見込みは 1.5 回で、300 回の平均は 1.43 回だった。上の段はこの 1.43 回のたびに 8 秒を通り直すので、それだけで 11.4 秒になる。実際の通り直しは平均 16.7 秒で、この見積もりより長い。易しい区間でやられた後にも通り直しがあり、通り直しの途中でもやられるからである。

やられる確率が高い所ほど、やられる回数の見込みは急に増える。デモの難しい区間を 90% にすると見込みは 9 回(300 回の平均は 9.40 回)になる。クリアまでの時間の平均は上の段が 131.2 秒、「難所の手前」が 31.4 秒で、4 倍以上の差になる。30% では、17.6 秒と 13.5 秒である。そのため、難しい所ほど手前の近くに置いて 1 回の通り直しを短くする。遊んだ人がどこで何回やられたかを記録しておき、やられる回数の多い所の手前から順にチェックポイントの位置を見直す。

置きすぎたとき

デモの「区間ごと」は 4 つの区間の境目のすべてに置く。通り直しはなくなり、クリアまでの時間は平均 13.8 秒になる。「難所の手前」との差は 1.7 秒だけである。この差は、チェックポイントに着く前の易しい区間でやられた回の通り直しと、そこでまたやられて待った時間である。

一方で、どこでやられても失うのは、やられた区間の初めからやられた所までと戻るのを待つ時間だけになる。デモでは 1 回やられて失う時間は 1.5〜2.5 秒ほどである。やられても失うものが少ないと、危ない所を慎重に越えようとする理由がなくなり、緊張感がなくなる。

緊張感を残したい面では、チェックポイントを難しい所の手前だけに絞る。数を減らしたくなければ、やられたときに失うものを別に作る。残機を使い切ったら面の最初に戻す、やられたら拾った物の一部を落とす、などである。反対に、やられながら覚えることを遊びの中心にする面では、やられやすい所ごとに置いて通り直しをなくす。この場合、緊張感はやられた後の損ではなく、一つ一つの所の難しさから生まれる。

戻ったときに元に戻すもの

チェックポイントから再開するとき、面の中の物をどの状態にするかを決めておく。基本は、チェックポイントを通った時点の状態を覚えておき、やられたらその状態に戻すことである。持ち物、落ちている物、敵、仕掛けをすべて同じ時点にそろえる。

  • 持ち物と落ちている物:通った後に拾った物は持ち物から消し、元の場所に置き直す。持ち物だけを残して落ちている物を元に戻すと、拾ってはやられることを繰り返して同じ物を増やせてしまう。
  • 敵:通った後に倒した敵は元の位置に戻す。挑み直す所は初めて挑んだときと同じ難しさにする。
  • 仕掛け:通った後に開けた扉や押したスイッチは閉じた状態に戻す。使った鍵も持ち物に戻し、戻った後に先へ進めなくなる組み合わせ(鍵は使ったままで、扉だけが閉まる、など)を作らない。
  • 体力:通った時点の値に戻すと、体力が少ないまま通った人は挑み直すたびに少ない体力から始めることになる。体力は満タンにして戻す。

一本道の面で後戻りできるときは、チェックポイントに順番を持たせる。最後に触れたものに戻す作りでは、手前のチェックポイントに触れただけで戻る位置が手前に移ってしまう。デモでは、通ったチェックポイントのうちいちばん先のものに戻している。

// チェックポイントに触れたとき。手前のものに触れても、戻る位置を手前に移さない
if (touching(checkpoint) && checkpoint.order > respawn.order) {
  respawn = checkpoint;
  snapshot = saveProgress(); // 持ち物、落ちている物、敵、仕掛けの状態を覚えておく
}

// やられたとき
restoreProgress(snapshot); // すべて、チェックポイントを通った時点にそろえる
player.position = respawn.position;
player.hp = player.maxHp; // 体力は満タンにして戻す

着いたことの見せ方

プレイヤーはどこまで進めば戻る位置が変わるのかがわかって初めて、やられたときに失う道のりを見積もれる。チェックポイントは通る前から見てわかる形にし、通ったら見た目を変える。デモでは通る前の旗を灰色で描き、通った旗を段の色に変えている。

通ったときの知らせは遊びを止めずに出す。旗の色や形を変え、短い音を鳴らし、画面の端に短い文字を出す程度にする。光らせるなら、1 秒に 3 回を超えて明滅させない。

セーブとの違い

チェックポイントは遊んでいるあいだにやられたときの戻り先である。セーブはゲームを終えても残る記録で、次に遊ぶときに続きから始めるのに使う。チェックポイントに着いたときにセーブもする作りにすると、ゲームを終えて次に遊ぶときもチェックポイントから始められる。

どちらの作りにするかを決め、プレイヤーに伝える。チェックポイントでセーブするなら、セーブしたことを画面に示す。セーブしないなら、ゲームを終えると面の最初からになることを終える前に知らせる。

ペース配分と面の構成との関係

チェックポイントの位置は面の中の緊張の配分と合わせて決める。「ペース配分」で緊張の山の後に置く休む場所は、次の山の手前でもあるので、休む場所の終わりにチェックポイントを置く。「起承転結の面構成」では、それまでの越え方が通じなくなる所(転)と失敗が痛い場所で腕前を試す所(結)の手前に置く。「難易度曲線」で難しさを上げる所では、やられる回数が増えるので、チェックポイントの間隔も詰める。

通り直しを短くする方法はチェックポイントのほかにもある。「ショートカットの開通」は奥まで進むと始点への近道が開くようにして、戻る位置は変えずに通り直す道のりそのものを短くする。

関連項目