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デモ 022ショートカットの開通

デモを読み込んでいます
上の段は近道なし、下の段は奥の側からだけ開く近道がある面です。同じ規則で動くプレイヤーのモデル(規則は本文に書いています)が、ボスに負けては始点に戻される挑戦を繰り返します。段の右上は挑戦ごとの歩数、下の図は面の全体と 300 回試した合計の歩数の平均です。下のボタンで上の段、下の段の順に自分でも遊べます。ステージをクリックすると、矢印キーでも操作できます。

第四章 レベルデザインNo.022

ショートカットの開通

Unlockable Shortcut別名 ショートカット、近道

概要

面の奥まで進むと開けられるようになる、始点への近道。奥の側からだけ開く扉にしておき、一度は回り道を通らせてから、やられて始点に戻されたときや始点と奥を行き来するときの道のりを短くする。チェックポイントが戻る位置を変えるのに対し、戻る位置は始点のまま、道のりのほうを短くする。

使われる場面

奥にボスがいる面
ボスの部屋の手前に始点へ抜ける扉を置く。負けて始点に戻されても、面の途中を通り直さずにボスの前まで戻れるようにする。
やられたら休む場所に戻るゲーム
休む場所や買い物の場所に戻す決まりがあると、戻る位置を難しい所の近くに移せない。休む場所から難しい所の手前へ抜ける近道を開かせて、挑み直す道のりを短くする。
拠点から探索に出るゲーム
探索する区域の奥ごとに拠点へ抜ける扉やはしごを置く。奥まで進んだら拠点へ戻って準備をし直し、次は近道から続きを探索できるようにする。
何度も行き来する広い地図
よく行き来する区域どうしのあいだに一方からだけ開く扉を置く。開けた後の行き来を短くしつつ、まだ通っていない区域は近道で飛ばせないようにする。

判断基準

こういうときこうする
ボスに負けるたびに始点から長い回り道を歩き直しているボスの部屋の手前に奥の側からだけ開く扉を置き、始点とつなぐ。
近道を開けたのに、挑み直すたびにまだ長く歩いている開く位置をボスの部屋のような難しい所のすぐ手前に移す。面の途中にも難しい所があるなら、区域の境ごとに近道を開かせる。
始点の側から近道の扉を開けられて、面の途中を一度も通らずに奥へ行ける扉を奥の側からだけ開くようにする。一度は回り道を通って奥まで来た人だけが、近道を使えるようにする。
近道の扉に気づかずに、ボスの部屋へ入ってしまう奥の側の扉をボスの部屋へ向かう道から画面に映る所に置き、取っ手やレバーのように、こちら側から開けられるとわかる見た目にする。
扉を開けたのに、どこにつながったのかわからない扉を開けた場所から始点が画面に映るようにする。始点には、たき火や灯りのようにほかの場所にない物を置く。
始点のそばにある開かない扉が何のためにあるのかわからない始点の側に錠前を、奥の側に取っ手を描き、奥から開ける扉だとわかる見た目にする。
やられて戻ったら、開けた近道の扉が閉まっていた開けた扉は面の状態として残し、やられてもゲームを終えても開いたままにする。
ボスに勝った後で近道が開くので、挑み直すときに使えないボスに挑み直す道のりを短くする近道は、ボスの部屋の手前で開くようにする。勝った後に始点へ帰る道が要るなら、それとは別に置く。

遊んでこう感じたら

  • やられると、長い道のりをやり直すことになるテンポ
  • やり直しが面倒で、やめたくなるテンポ
  • 奥まで行っても、また同じ道を戻るのが面倒テンポ

指示の例

  • ボスに負けるたびに始点から 1 分近く同じ回り道を歩き直すのが面倒。ボスの部屋の手前に奥の側からだけ開く扉を置いて、開けたら始点から 10 秒くらいでボスの前まで戻れるショートカットを開通させて

  • ショートカットが面の中ほどで開くので、負けるたびに後半の道はまた歩いている。開く位置をボスの部屋のすぐ手前まで移して

  • 近道の扉を開けても、どこにつながったのかわからなかった。扉を開けたときに始点のたき火が画面に映るよう、ショートカットの通路を今の半分くらいの長さにして

  • 始点の横に開かない扉があるけれど、何の扉かわからない。始点の側には錠前、奥の側には取っ手を描いて、奥から開けるショートカットの扉だとわかるようにして

  • 開けた近道の扉が、やられて戻ると閉まっている。ショートカットは一度開けたら、やられてもゲームを終えても開いたままにして

詳細

やられるたびに歩き直す回り道

面の奥にボスのような難しい所があり、負けると始点に戻される作りでは、挑み直すたびに始点から奥までの道を歩き直すことになる。道のりが長いほど、また負ける回数が多いほど、遊ぶ時間の多くがもう知っている道の歩き直しに使われる。そこで、奥まで進んだプレイヤーが奥の側から扉やはしごを開けられるようにして、始点と奥をつなぐ近道を作る。この仕掛けをショートカットの開通と呼ぶ。開けた近道はその後もずっと開いたままにする。次に負けたときは始点から近道を通り、短い道のりで奥へ戻れる。

デモの面

デモの面は横 21 マス、縦 14 マスである。始点の部屋は面の中ほどにあり、東の出口から外周の道に出て時計回りに回ると、北の端の道の先にボスの部屋がある。始点からボスの部屋に入るまでは 50 歩である。画面に映るのはキャラクターから左右に 6 マス、上下に 3 マスほどである。始点に立った画面にはボスの部屋は映らない。

上の段の面には近道がない。下の段の「奥の手前」の面では、始点の部屋の北の壁に扉があり、2 マスの通路で北の端の道につながっている。この扉は通路の側からしか開けられない。開けた後は始点からボスの部屋まで 8 歩で着く。

デモの自動再生で遊んでいるもの

同じ入力を 2 つの段に流しても、差は見えない。下の段には上の段にない通路があるので、同じ時刻に押した向きがそれぞれの段で違う所に当たるからである。差はプレイヤーがどこを通り、何回負けるかから生まれる。そこで、デモの自動再生では同じ規則で動くプレイヤーのモデルに段ごとに遊ばせている。モデルは 1 マス進むごとに、次の順で進む向きを決める。

  1. 近道の扉を奥の側から画面で見ていて、まだ開けていなければ、開けに行く。
  2. ボスの部屋を一度でも画面で見ていれば、ボスの部屋へいちばん近い道を進む。まだ画面に映っていない所は通れるものとして考える。
  3. どちらでもなければ、まだ画面に映っていない所のうちいちばん近い所へ向かう。

ボスの部屋に入ると戦いになり、操作パネルで決めた確率(既定は 60%)で負ける。負けると始点に戻されるが、それまでに見た所と開けた扉は覚えている。戦いの結果はシード付きの乱数で決め、2 つの段で同じ列を使う。n 回目の戦いの結果はどちらの段でも同じになるので、2 つの段は同じ回数だけ負ける。何度負けても、負ける確率は変わらない。歩数には歩いた分だけを数え、戦いと、負けてから始点に戻るまでの時間は数えない。歩数の差はこのモデルで比べた差であり、実際のプレイヤーの遊び方を測ったものではない。

奥の側からだけ開く扉

自動再生の 1 回目の挑戦では、どちらの段も同じ道を歩く。下の段では、41 歩目に北の端の道で扉の裏側が画面に映る。47 歩目に通路の入り口に着いたところで、2 つの段の歩き方が分かれる。上の段はそのままボスの部屋に入り、50 歩目で戦いになる。下の段は通路を 3 歩下りて扉を開け、扉の先の始点を画面で見る。通路を戻ってからボスの部屋に入るので、1 回目は 56 歩かかる。

扉を始点の側からも開けられるなら、プレイヤーは初めから近道を通り、外周の道を一度も歩かずにボスの部屋に着ける。外周の道に置いた敵や仕掛けを一度も遊ばずに飛ばせてしまう。奥の側からだけ開くようにしておけば、近道を使えるのは一度は回り道を通って奥まで来た人だけになる。開けた扉の先に始点が映ると、プレイヤーは長い回り道の先が始点のすぐ隣だったことをその場で知る。開けた後の扉はどちらの側からも通れるようにする。

開けた後の挑み直し

2 回目からの下の段は始点から近道を通り、8 歩でボスの部屋に着く。上の段は毎回 50 歩の回り道を歩き直す。負ける確率が既定の 60% のとき、自動再生の回ではどちらの段も 2 回負けて 3 回目に勝つ。合計の歩数は上の段が 50 × 3 = 150 歩、下の段が 56 + 8 × 2 = 72 歩である。

負ける確率を p とすると、勝つまでに挑む回数の見込みは 1 / (1 - p) 回で、60% なら 2.5 回である。同じモデルで 300 回試すと、挑んだ回数は平均 2.38 回になる。合計の歩数の平均は上の段が 119 歩、下の段が 67 歩になる。上の段は 1 回の挑戦ごとに 50 歩、下の段は 1 回目に 56 歩、2 回目から 1 回ごとに 8 歩である。平均の差の 52 歩は、2 回目から 1 回ごとに縮む 42 歩の積み重ねから、1 回目に開けに寄った 6 歩を引いたものである。

近道を開けに寄る 6 歩は、負けなければ取り戻せない。300 回のうち 127 回は 1 回目で勝ち、その回は下の段のほうが 6 歩長い。1 回でも負ければ、2 回目の挑戦で 42 歩縮むので、開けに寄った分を取り返す。開けに寄る道のりは短くしておく。デモの扉はボスの部屋へ向かう道から 3 歩の所にあり、その裏側は道から画面に映る。

開く位置

デモの「中ほど」は始点の部屋の南の壁に扉を置き、南の端の道とつなぐ。南の端の道にある通路の入り口は始点から外周を回って 21 歩の所で、ボスの部屋までの道のりの半分に少し足りない。開けた後も始点からボスの部屋までは 34 歩かかる。外周の後半の道が残るので、300 回の平均は 103 歩で、近道なしの 119 歩から 16 歩しか縮まない。「奥の手前」の 67 歩との差はこの後半の道の歩き直しである。

挑み直す道のりを短くする近道は、難しい所のすぐ手前で開くようにする。面の途中にも難しい所があるなら、区域の境ごとに近道を開かせ、どの難しい所にも近い所から挑み直せるようにする。ボスに勝った後で開く近道は、ボスに挑み直す道のりを短くしない。勝った後に始点へ帰る近道を置くときも、挑み直しのための近道はそれとは別に、ボスの部屋の手前で開くようにする。

負ける確率が低いほど、近道の効き目は小さくなる。デモで負ける確率を 30% にすると、300 回の平均は近道なしと「中ほど」がどちらも 69 歩、「奥の手前」が 59 歩になる。「中ほど」は 1 回の挑戦で縮む歩数が 16 歩で、負ける回数の平均が 0.37 回である。そのため、縮む歩数は平均 6 歩ほどになり、開けに寄る 6 歩と打ち消し合う。90% にすると、近道なしが 508 歩、「中ほど」が 368 歩、「奥の手前」が 129 歩になる。「奥の手前」は近道なしの 4 分の 1 ほどである。

閉じた近道の見せ方

デモの「開く前の扉を始点の側から見せる」を入れていると、始点の部屋の壁に錠前の付いた格子の扉が見える。切ると、扉と通路は奥の側から見つけるか開けるまで壁に見える。モデルの歩き方はどちらでも変わらない。モデルは見た扉の先を予想しないからである。変わるのは、プレイヤーが始点を出る前に知っていることである。

錠前の付いた扉が始点から見えていれば、プレイヤーはこちらからは開かない扉があることを知ったうえで出発する。奥で取っ手の付いた扉の裏側を見たとき、それが始点で見た扉の反対側だと考える手掛かりになる。扉を隠しておくと、プレイヤーは開けたときに初めて始点とのつながりを知る。隠すときは、奥の側の扉をボスの部屋へ向かう道から見える所に置き、開けられる側だとわかる見た目にする。扉の裏側に気づかないまま奥を通り過ぎると、近道は開かないまま残るからである。「導線」と同じく、道から画面に映る手掛かりでプレイヤーを扉へ向かわせる。

開けた扉は開く前と見た目を変え、始点の側から見ても開いているとわかるようにする。デモでは開けた扉を、格子を外して両脇に扉の板を寄せた形で描いている。

開けた近道を残す

近道の扉は開けた後、負けてもゲームを終えても開いたままにする。デモでは負けて始点に戻っても、扉は開いたままである。「チェックポイント」では、やられたときに拾った物や倒した敵を通った時点の状態に戻す。近道の扉はそれとは別に、面の地形の変化として覚えておく。扉ごとに開けたかどうかを持ち、セーブするときにも残す。

// 近道の扉。奥の側から通ろうとしたときだけ通れ、開いた後はどちらの側からも通れる
function canPass(door: Door, from: Cell) {
  return door.opened || isFarSide(door, from);
}

// 扉のマスに入ったとき
if (!door.opened) {
  door.opened = true;
  world.openedDoors.add(door.id); // やられても、セーブしてゲームを終えても残す
}

チェックポイントとの違い

「チェックポイント」は、やられたときに戻る位置を面の途中に移す。ショートカットの開通は戻る位置を始点のままにして、始点から奥までの道のりのほうを短くする。デモの面でボスの部屋の前にチェックポイントを置いたとすると、負けてもそこから挑み直せるので、歩き直しはなくなる。近道では開けた後も、挑み直すたびに始点から 8 歩を歩く。

どちらを使うかは、始点に戻すことに意味があるかで決める。

  • 始点に戻す意味があるとき:休む場所、買い物をする場所、セーブする場所を始点にまとめたゲームでは、やられたら始点に戻して近道で道のりを短くする。戻るたびに始点で準備をし直してから挑める。
  • 挑み直すまでを短くしたいだけのとき:チェックポイントを難しい所のすぐ手前に置く。
  • 両方を使うとき:区域ごとの休む場所をチェックポイントにし、そこから次の難しい所の手前へ抜ける近道を開かせる。

近道はボスに勝った後も残る。始点と奥を行き来するたびに、近道を通れる。チェックポイントは、やられたときに戻る位置を決めるだけなので、行き来の道のりは短くしない。

輪になった面と始点の見分け

近道を開けると、始点から外周を回って奥へ行く道と近道とで面が輪になる。デモの「奥の手前」の扉を開けた場所に立つと、始点とボスの部屋が同時に画面に映る。「ランドマーク」のデモのモデルが同時に画面に映った物どうしの位置の関係を覚えたように、プレイヤーは奥と始点の位置の関係をここで知る。

そのため、始点は扉を開けた場所から見て始点だとわかる見た目にする。デモでは始点の部屋の床に色を付け、戻される位置に緑の輪を描いている。実際のゲームでは、たき火や灯りのようにほかの場所にない物を始点に置く。扉を開けた場所から始点が画面に映らないほど通路が長いなら、通路を短くするか、通路の先の始点の目印を遠くから見える物にする。

ゲーティングとの違い

「ゲーティング」は鍵を取るまで扉を開けないようにして、先へ進める道を限る。近道の扉も開けるまでは通れないが、閉じていても回り道を通れば奥へ行ける。閉じているあいだに通れないのは、始点と奥のあいだの近道だけである。近道の扉を開ける鍵にあたるのは、回り道を通って奥の側まで歩いてきたことである。

関連項目