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デモ 024ゲーティング

デモを読み込んでいます
自動再生では、同じ規則で歩くプレイヤーのモデル(道具が見えれば取りに行き、ゴールが見えればその方へ、どちらもなければ分かれ道で右の道から試す)が段ごとに歩きます。段の右上は歩いた歩数と、道具を持たずに溝に着いた回数(溝の × がその場所)です。右端の印は道具を持っているかです。下のボタンで自分でも歩けます。ステージをクリックすると、矢印キーでも操作できます。

第四章 レベルデザインNo.024

ゲーティング

Gating別名 鍵と扉

概要

面の区域に入れる順番を鍵と扉の組で決める作り方。鍵や道具、能力を手に入れるまで先の区域への扉を開けないようにして、道具を手に入れてから難所に着かせたり、探す範囲を今行ける所に絞ったりする。扉を増やしすぎると一本道に感じるので、順番を守らせたい所にだけ扉を置き、扉と扉のあいだは自由に回れるようにする。

使われる場面

探索しながら地図が広がるゲーム
新しい道具や能力を手に入れるたびに、それまで開かなかった扉や越えられなかった段差を通れるようにする。一度通った区域へ戻る理由ができ、行ける所が少しずつ広がる。
新しい道具を使わせる区域
道具を取った後でしか入れない区域に、その道具を使う難所を置く。プレイヤーは道具を手に入れてから難所に着く。
物語の順番を守りたい場面
話が進むまで先の区域へ続く道をふさいでおく。出来事が、決めた順番で起きる。
ボスの部屋
ボスを倒すまで先の区域への出口を開けない。区切りの最後にボスを置き、倒したことを先へ進む条件にする。
広い野外
扉で閉じる代わりに、強い敵のいる所や深い川で今は通りにくい所を作る。道を閉じずに回る順番をゆるく決められ、腕に自信のあるプレイヤーは先へ進める。

判断基準

こういうときこうする
奥まで進んだのに、道具が足りなくて引き返すことになった道具が要る難所のある区域の入り口に道具で開く扉を置く。道具を取るまではその区域に入れないようにする。
どこへ行けばいいかわからない今行ける所を扉で絞る。閉じた扉を先に見せ、開けるための鍵がある区域だけを探させる。
行ける所が多すぎて、何から手を付ければいいかわからない最初に開いている区域を一つか二つにし、残りの区域への道は扉で閉じる。区域を一つ回り終えるごとに、次の区域への扉を開ける。
鍵がどこにあるかわからず、行き詰まる閉じた扉の前に立ったときに、鍵か鍵のありかを示す手掛かり(鍵の光、鍵のある部屋へ続く導線)が画面に映るようにする。
鍵を取ったのに、どの扉で使うのかわからない鍵とそれで開く扉に同じ色と形の印を付ける。種類の違う鍵と扉には違う色と形を使う。
鍵が扉の向こうに見えるのに、取りに行けない鍵をその鍵で開ける扉の向こうに置かない。扉や鍵を動かしたら、扉を閉じたままスタートから鍵まで行けるかを確かめる。
一本道で、探索している気がしない順番を守らせたい所だけに扉を減らし、扉と扉のあいだの区域を広げる。区域の中に、先へ進むのに要らない寄り道(ごほうびの部屋)を置く。

遊んでこう感じたら

  • どこへ行けばいいかわからないわかりやすさ
  • 行ける所が多すぎて、何から手を付ければいいかわからないわかりやすさ
  • 奥まで進んだのに、道具が足りなくて引き返すことになったテンポ
  • 鍵がどこにあるかわからず、行き詰まるわかりやすさ
  • 鍵を取ったのに、どの扉で使うのかわからないわかりやすさ
  • 一本道で、探索している気がしないテンポ

指示の例

  • 奥の区域の溝まで行ってから越える道具を持っていないと気づいて、長い道を引き返した。ゲーティングで奥の区域の入り口に道具で開く扉を置き、道具を取るまでは入れないようにして

  • 最初から全部の区域に行けて、何から手を付ければいいかわからない。ゲーティングを入れて、最初に開いている区域は西側の二つだけにし、ほかの区域への通路は鍵のかかった扉で閉じて

  • 閉じた扉の前で鍵がどこにあるのか見当がつかずに歩き回った。ゲーティングの鍵を、扉の前に立ったときに画面に映る所へ移して

  • 赤い鍵を拾ったのに、どの扉で使うのかわからなかった。ゲーティングの鍵と扉に同じ色と形の印を付けて、赤い鍵で開く扉は赤い枠にして

  • 扉が多くて一本道に感じ、探索している気がしない。ゲーティングの扉を今の半分くらいに減らして、扉と扉のあいだの区域に寄り道できる部屋を二つか三つ置いて

詳細

奥の区域へ入る順番

面の奥に道具がないと越えられない難所があるとする。道具は手前の区域にあり、奥の区域へは最初から入れる。プレイヤーが道具を見つける前に奥へ進むと、難所の手前まで来てから越えられないと気づき、来た道を引き返すことになる。そこで、奥の区域の入り口にその道具で開く扉を置く。扉は道具を手に入れるまで開かないので、プレイヤーが難所に着くときには必ず道具を持っている。このように鍵や道具、能力を手に入れるまで先の区域への道を閉じておき、区域に入れる順番を決める作り方をゲーティングと呼ぶ1。

デモの面は横 29 マス、縦 15 マスである。スタートから東へ延びる通路と、そこから北へ入る 2 本のわき道が手前の区域である。スタートから 5 歩の分かれ道を南へ下りた先が奥の区域である。奥の通路の先には道具がないと越えられない溝があり、その向こうにゴールがある。道具は既定では東のわき道の奥にある(デモでは、かぎの形で描いている)。上の段は奥の区域の入り口に何も置かない。下の段は入り口に道具で開く扉を置き、扉を道具と同じ色にして、道具と同じ形の印を付けている。奥の区域の床は手前の区域より少し暗く描いている。画面に映るのはキャラクターから左右に 6 マス、上下に 3 マスほどである。

デモの自動再生で歩いているもの

同じ入力を 2 つの段に流すと、下の段は扉の前で止まるだけで、扉があるときにプレイヤーがどう歩くかは表れない。そこで、デモの自動再生ではプレイヤーのふるまいのモデルに段ごとに歩かせている。規則はどちらの段も同じで、違うのは奥の区域の入り口に扉があるかどうかだけである。モデルは 1 マス進むごとに、次の順で進む向きを決める。

  1. まだ拾っていない道具が画面に映っていれば、取りに行く。
  2. 道具を持っていて道具と同じ印の付いた扉を見ていれば、その扉へ向かう。
  3. ゴールを一度でも画面で見ていれば、ゴールへ向かう。
  4. どれもなければ、分かれ道では右、まっすぐ、左の順に、まだ画面に映っていない所へ通じる道を選ぶ。画面に映って行き止まりとわかった道には入らない。

道のりは、まだ画面に映っていない所を通れるものとして数える。閉じた扉は道具を持つまで通れないものとして扱う。溝は越えようとして止められるまでは通れるものと考え、止められてからは道具を持つまで通れないものとして扱う。モデルは画面に映った道具、扉、溝を見落とさない。歩数の差はこのモデルで比べた差であり、実際のプレイヤーの動きを測ったものではない。

スタートから 5 歩の分かれ道で、2 つの段の歩き方が分かれる。デモはここで 2 秒止めて「分かれ道。どちらへ進む?」と出す。どちらの段の画面にも、東へ続く通路と南へ下りる道が映っている。下の段では南の道の先の扉が閉じている。

上の段は右の南の道から奥の区域へ入り、通路を東へ進む。22 歩目に溝の手前でゴールが画面に映り、ゴールへ向かおうとして溝に止められる。越えられないとわかると、ゴールへ通じるほかの道を探して分かれ道まで戻る。東の通路から東のわき道に入り、67 歩目に道具を取る。そこから奥の区域へ戻り、119 歩でゴールに着く。

下の段は南の道の扉が閉じているので、東の通路へ進む。33 歩目に東のわき道の奥で道具を取り、扉へ戻って扉を開け、85 歩でゴールに着く。溝に着いたときには道具を持っている。上の段との差の 34 歩は、上の段が分かれ道から溝まで行き、分かれ道へ戻ってきた道のり(17 歩ずつ)である。

道具を取った時点で画面に映ったことのある所は、壁を除いた面の広さのうち上の段が 87%、下の段が 57% である。下の段は扉が閉じているあいだ、奥の区域を探す所から外している。

ゲーティングで決められること

ゲーティングで決められるのは次の三つである。

  • 出会う順番:道具や能力を手に入れてから、それを使う難所に着かせる。デモの下の段は溝に着いたときに必ず道具を持っている。扉を開ける条件を話の進み具合にすれば、物語の出来事も決めた順番で起きる。
  • 探す範囲:閉じた扉の向こうは、今は探さなくてよい所になる。プレイヤーは今行ける区域の中だけで次の鍵を探せばよい。
  • 戻ってくる理由:一度通った区域に、そのときは開けられない扉を残しておくと、後で道具を手に入れたときに戻る先になる。

三つ目の使い方では閉じた扉の向こうが少し見える作り(格子の扉、窓)にし、向こうに宝箱や次の区域の景色を置く。扉を開けたときに何が手に入るかを、閉じているうちから画面で示すためである。デモの溝の向こうに見えるゴールも同じ見せ方になっている。上の段のモデルは溝の手前で見たゴールを覚えていて、道具を取った後にゴールへまっすぐ戻る。

鍵と扉の種類

ゲーティングの鍵には、手に入れると先へ進めるようになるものを使う。

  • 鍵:拾うと決まった扉が開く。数を集めると開く扉もある。
  • 道具:使うとそれまで越えられなかった所を越えられる。デモの道具は溝を越える道具で、下の段では扉の鍵も兼ねている。
  • 能力:高く跳ぶ、泳ぐのようにキャラクターの動きが増える。高い段差や水場が扉の役をする。
  • ボスを倒す:倒すとボスの部屋の出口が開く。
  • 話を進める:人物と話す、出来事を見るといった進み具合で、道をふさいでいた物がなくなる。

扉の側も鍵のかかった扉に限らない。道具で壊せる壁、能力がないと届かない段差、話が進むまで道をふさぐ見張りも扉の役をする。能力を鍵にすると扉を開けた後も動きが増えたまま残るので、それまでに通った区域でも新しい動きを使う場所を作れる。

扉を先に見せ、鍵を後で見つけさせる

閉じた扉と鍵は、扉を先に見せる順に置く。扉を先に見ておけば、鍵を拾ったときにどこで使えばよいかがわかる。鍵を先に拾わせると、使う場所がわからないまま持ち歩くことになる。

鍵を探す道のりの長さも置き場所で決まる。デモの「道具の置き場所」は道具を置く所を 3 通りに変える(どちらの段も同じ所に置く)。既定の「見えない」では、下の段は扉の前に立っても道具が画面に映らないので、手前の区域を探して回る。スタートで扉が画面に映ってから道具を取るまでに 33 歩かかる。この 33 歩が、閉じた扉を見ながら道具のありかがわからずに歩いた道のりである。

「扉から見える」にすると、道具は分かれ道の 2 マス東にある通路わきのくぼみに置かれ、扉の前からも画面に映る。スタートから 1 歩進むと道具が画面に映るので、どちらの段も先に道具を取り、同じ道を 35 歩で歩く。モデルは画面に映った道具を必ず取りに行くので、道具が通り道から見えていれば扉がなくても順番どおりに進む。扉が歩き方を変えるのは、道具が通り道から見えないときである。実際のプレイヤーは見えている道具を後回しにして先へ進むこともある。扉があれば、そのときも順番が守られる。

鍵は閉じた扉の前に立ったときに画面に映る所に置く。遠くに置くときは、扉の前から鍵のある方向を示す手掛かり(鍵の光、鍵のある部屋へ続く「導線」)が見えるようにする。

鍵と扉の対応の見せ方

鍵とそれで開く扉に同じ色と形の印を付けると、鍵を拾った時点でどの扉が開くかがわかる。デモのモデルは道具と同じ印の付いた扉を見ていれば、道具を取った時点でその扉へ向かう(規則の 2)。

「扉に道具と同じ印」を切ると、扉には鍵穴だけが残る。道具を取った後も、モデルは道具で開くかどうかわからない扉を、まだ画面に映っていないほかの道と同じ順番で試す。下の段は道具を取った後に、東のわき道の残りと西のわき道を見て回ってから扉を試し、101 歩でゴールに着く。印があるときの 85 歩より 16 歩多い。

種類の違う鍵と扉があるゲームでは、鍵ごとに色と形を変え、それで開く扉にも同じ色と形を付ける。色だけで分けると、色を見分けにくいプレイヤーには対応がわからないので、形も変える。一つの面の中だけでなく、ゲーム全体で同じ印に同じ意味を持たせる。

鍵を扉の向こうに置かない

「道具の置き場所」を「扉の向こう」にすると、道具は扉のすぐ奥に置かれる。上の段は奥の区域へ入ってすぐに道具を拾い、29 歩でゴールに着く。下の段はスタートから扉の向こうの道具が画面に映っているのに、扉を開けられない。手前の区域を探し尽くし、61 歩で行き詰まる。

このように先へ進む方法がなくなり、やり直すしかなくなった状態を詰みと呼ぶ2。鍵をその鍵で開ける扉の向こうに置くと、プレイヤーは詰む。扉が一つなら面を見ればわかる。扉と鍵が増え、ある扉の鍵が別の扉の向こうにある組み合わせが重なると、面を見ただけでは確かめにくい。扉や鍵を足したり動かしたりしたら、手に入る鍵で開く扉を順に開けていき、ゴールまで行けるかを確かめる。面のデータからは次のように調べられる。

// 鍵ごとに開く扉が決まっている面で、手に入る鍵で開く扉を順に開けていき、ゴールまで行けるかを確かめる
// doors は、扉のマス(door)と、それを開ける鍵のマス(key)の組の並び
// reachable(start, closed) は、閉じた扉(closed)を通らずに start から行けるマスの集まり
const closed = new Set(doors.map((d) => d.door));
for (;;) {
  const reach = reachable(start, closed);
  if (reach.has(goal)) break;
  const opened = doors.filter((d) => closed.has(d.door) && reach.has(d.key));
  if (opened.length === 0) {
    console.warn('詰み:開けられる扉がないまま、ゴールに届かない');
    break;
  }
  for (const d of opened) closed.delete(d.door);
}

デモの「扉の向こう」をこの方法で調べると、最初の一回で開けられる扉がなくなり、詰みが見つかる。

ゲーティングの強さと一本道

扉で閉じる所を増やすほど、プレイヤーが選べる道は減る。デモの分かれ道で、上の段は南と東のどちらへも進めるが、下の段が進めるのは東だけである。すべての分かれ道で扉が一つを残して道を閉じると、面は一本道と同じになり、プレイヤーが道を選ぶ場面がなくなる。反対に、最初からすべての区域へ行けると、何から手を付けるかをプレイヤーが決めることになる。

扉は順番を守らせたい所(道具を使う難所の手前、物語の区切り)にだけ置く。扉と扉のあいだの区域は自由に回れる広さにし、先へ進むのに要らない寄り道(ごほうびの部屋)を置く。順番をゆるく決めたいときは、扉で閉じる代わりに強い敵のいる所や長い遠回りのように、通れるが今は通りにくい所で区切る。腕に自信のあるプレイヤーは先へ進み、そうでないプレイヤーは易しい所から回れる。

導線やショートカットの開通との違い

「導線」はどの道も通れるまま、灯りや道の形で進む道を選ばせる。ゲーティングは通れる道そのものを限る。二つは組み合わせて使う。扉が閉じているあいだは導線で鍵のある所へ導き、鍵を取ったら導線で扉へ戻らせる。

「ショートカットの開通」も扉を開ける仕組みだが、開けた扉はすでに行ける場所どうしを近道でつなぐ。ゲーティングの扉はまだ行けない区域への道を開く。

「起承転結の面構成」で新しい仕掛けを安全な所で見せてから難しい所に置いても、プレイヤーが先に難しい所へ行けるなら、その並びは崩れる。区域の入り口を扉で閉じておけば、どの道を選んでも決めた並びで仕掛けに出会う。

「段階的な開示」は画面の項目を必要になってから出す。ゲーティングは面の区域を必要になってから開ける。

脚注

  1. 英語の gate(門)から。鍵と扉の組に注目して lock and key と呼ぶこともある。 ↩

  2. 英語では soft lock と呼ぶ。 ↩

関連項目